かにこちゃん 海の香りがする夏の絵本

夏にぴったり、海の香りをからだいっぱいにすうーっと吸い込める絵本です。

私たちの住む街の夏は短く、とても貴重。
道行く人みんな、夏がやってきた喜びに満ち溢れているように思えます。

私たちもこの夏を満喫すべく、週末はミシガン湖のビーチへ。

湖に浮かぶ明るくて大きな太陽、きらきら光る波と砂浜。
くたくたになるまで娘と遊んできました。

その日はお風呂の後まで、娘も私もからだに夏の匂いが残っているような気がして、
「今日はかにこちゃんを読もう!決まり!」

かにこちゃん
きしだえりこ 作 ほりうちせいいち 絵

おはよう おひさま
おはよう かにこちゃん

大きなお日様が空にのぼり、砂浜の小さな穴から、小さなかにこちゃんがひょっこり。
かにこちゃんの一日が始まります。

この絵本の大好きなところは、自由な色使いと真似したくなる可愛い言葉たち。


朝焼けからお昼の穏やかな空、そして真っ赤に燃える夕日まで。

かにこちゃんが過ごす一日の、空と海の色使いはとても個性的です。

でもこの色合いである必然性を感じるというか、だから夏の太陽の匂いや砂浜の焼ける熱さ、潮の香りが漂ってくるのかなと。

実に世界は、決して一つの色では表せない自然の色彩の豊かさに溢れているなあと、この小さな海辺の一日を眺めながら、幸せなため息をぽろり。

個人的には画家のマティスの色彩を思い出します。

それから登場する可愛い言葉たち。

ちいさいなみは
しゃぷしゃぷ ぴしゃぴしゃ

みんなでにげよう
すこ すこ すこ すこ

私はこの「すこ すこ」という音が、かにこちゃんの砂浜を歩く足音にぴったりで、なんだかのんびりした雰囲気もあって、とても好きです。

親子で真似っこしながら読むのもとても楽しい時間になります。

これからの季節に読みたい、夏を丸ごととじこめたような一冊でした。

作品について
題名:かにこちゃん
作者:きしだえりこ 作 ほりうちせいいち 絵
出版社:くもん出版
おすすめの読み聞かせシーン:夏 お出かけ前や後
おすすめの年齢:0歳から3歳
(絵本は赤ちゃんから大人まで読む年齢に決まりはないので、あくまでもご参考程度に)

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