そりあそび

そとは つめたい ゆきが ふっていた。
「きょうみたいなひは、
ストーブに あたって 
あみものをしたり、
ひるねしたりするのがいちばんさ。」
ばばばあちゃんが いっていると、
ゆきだらけの こいぬと こねこが
そとから とびこんできた。

寒い冬のある日、家でゆっくりと編み物をしていたばばばあちゃん。
そこへ次から次へと動物たちが凍えながら、ストーブにあたりにやってきます。

そんな彼らにばばばあちゃんはさすがの一言。

「いい わかいもんが だらしないねえ。
さむい さむいばかり いって。
よし!! いまから、 
さむいひの とくべつな
あったまりかたを おしえてやるよ。
みんな おいで!!」

いつだって楽しい知恵がいっぱいのばばばあちゃん。
今日はベッドをトランポリンに!
みんなでピョンピョン跳ねていると‥

とつぜん、
メリメリッ、
パキーンというおとがして、 
みんな ひっくりかえった。

なんとベッドのあしが折れてしまいます。
困ってどうしたものかと考え込んでしまう一同。

しかしここでへこたれるようなばばばあちゃんではありません。

「めいあんが うかんだよ。
こんなもの きっちゃえば いいのさ」
ばばばあちゃんは 
のこぎりを もってくると、
ベッドの あしを 
4ほんとも きってしまった。

さて、ばばばあちゃんの名案とはなんでしょう。
それは、雪の中で遊ぶのにぴったりの素敵ななにか。

さとうわきこさんの描くばばばあちゃんは、いつだって愉快で元気いっぱい、みんなをあっと言わせる素敵な知恵の持ち主です。

このお話でも、冬の寒さも吹き飛んでいきそうなばばばあちゃんの姿に、親子で元気をもらえます。

冬の絵本の中でも娘のお気に入りのようで、彼女はいつも親しみを込めて「ばばおばあちゃん!」と呼んでいます。

私たちの街も今年は暖冬ながら、雪が少し積もる日もでてきました。

雪遊びをした日にお風呂にゆっくり浸かった後、お布団に包まって、雪景色を思い返しながらこの絵本を読み聞かせする時間は、ばばばあちゃんの言うような、私にとってのとっておきです。

寒い冬、心も体もぽっかぽかに暖まる一冊でした。

作品について
題名:そりあそび
作者:さとう わきこ 作
出版社:福音館書店
おすすめの読書シーン:冬 寒い日 雪遊びの前後 お昼寝の前 
おすすめの年齢:2歳〜
(絵本は赤ちゃんから大人まで読む年齢に決まりはないので、あくまでもご参考程度に)

上部へスクロール