
きんじょのひとたちは ふたりを
「ハムエッグ」とよんだ。
いつも いっしょだったから。
おじいさんと小さな女の子のあたたかくてやさしい友情を描いた、
娘も私も大好きな絵本です。
日本語訳は谷川俊太郎さん。
ふたりのゆったりとした世界、そしてご近所のあたたかさにぴったりとあった言葉選びも素敵です。
バーソロミューおじいさんは
ネリーのおとなりさん。ネリーが あかちゃんだったころ
まいにち ネリーを
カートにのせて、
いちブロックさきの
プリングルさんの さいえんまで
さんぽに つれてってくれた。
ネリーが赤ちゃんの頃からずっと可愛がってくれた、お隣さんのバーソロミューおじいさん。
幼いネリーを乗せたカートを押しながら、でこぼこ道ではふたりのいつもの合言葉。
かわいい犬がやってきたら、頭をなでてややり、いじわるいぬはしっしっと追い払うおじいさん。
ご近所のプリングルさんのスプリンクラーでは、一緒にしぶきの下をくぐりぬける。
やがてネリーは歩きはじめ、少しずつ自分でできることが増えていき、
そして、バーソロミューおじいさんは歳をとってゆきます。
ふたりは とても
ゆっくり あるいた。
かいだんを のぼるときは
ふたりとも てすりをつかんだ。
季節の移り変わりとともに年老いていくバーソロミューおじいさん、そして成長していくネリー。
そのふたりの様子が交差し、ともに日々をゆっくりと過ごしていく姿がとても自然にあたたかく、また切なく描かれています。
杖をつくようになったバーソロミューおじいさんにネリーが手を貸したい時も、いやがるおじいさん。
だからそれを分かっていざというときしか手を貸さないネリー。
それはまさにネリーが歩きはじめたときにおじいさんがしてくれたこと。
こうしてふたりは役割を変えながらも、
変わらずともに時を過ごしてゆきます。
そしてある日、階段で転んだバーソロミューおじいさん。
車いすになったおじいさんを押すネリー、
まるで昔ネリーのカートを押していたおじいさんのように。
やりかたは よくしっていた。
そうっと やさしく
ゆっくり。オリバーさんちのみちのまえで
ネリーはいう。
「でこぼこに きをつけて!」でこぼこを こえるとき
バーソロミューは
カウボーイみたいに
ぼうしをふる。かわいい いぬにあうと
とまって あたまを なでてやる。もし いじわるいぬなら、
ネリーが しっしっと
おいはらう。
ふたりの特別な、とっときのとっかえっこです。
あたたかい思いやりの気持ちを、やさしくそっと教えてくれる一冊でした。
作品について
題名:とっときのとっかえっこ
(原題:A Special Trade)
作者:サリー・ウィットマン 文
カレン・ガンダーシーマー 絵
谷川 俊太郎 訳
出版社:童話館出版
おすすめの読書シーン:思いやりについて読みたいとき、お誕生日や卒園、入園などの節目に、おじいちゃんおばあちゃんとの時間に
おすすめの年齢:3歳~
(絵本は赤ちゃんから大人まで読む年齢に決まりはないので、あくまでもご参考程度に)