ぶん ぶん ぶるるん
みつばち ちくりと おうしを さした。
おうしは、びっくり はねまわる。
おかげで めうしは、ごきげん ななめ。
みるくしぼりの おばさんを
みるくと いっしょに けとばした。
舞台はお日様の照らすのどかな牧場。
しかし、表紙に並ぶ動物たちに牧場のおじさんとおばさん、なんだかみんなしかめっ面のようです。
お話のはじまりは、一匹の怒れるみつばち。
ちくりとおうしにお見舞いすると、今度はおうしが怒れるおうしに。
その気持ちはめうし、みるくしぼりのおばさんに、つぎつぎと飛んでいき・・
さらには、おばさんに八つ当たりされたおじさんから、おじさんにひっぱたかれたらば、らばからやぎへ・・
こうして牧場をみんなの怒った気持ちが、歌いだせそうなリズミカルな文章にのって飛び回ります。
そうしていくうちに、またその気持ちはみつばちへ・・あれれ、はじまりにもどったぞ。
いらいら、むしゃくしゃ、おとなでもこどもでもそんな気持ちになってしまうときってある。
この絵本ではそんな怒った気持ちの行方がとてもコミカルに描かれています。
カラフルで愉快なタッチの絵もなんとも魅力的。
自分がだれかにぶつけてしまった怒った気持ち、それはきっとめぐりめぐって、まるっとそのまま自分にかえってくる、
このユーモラスな絵本にはそんな教えがかくれている気がします。
イヤイヤ期真っ最中の娘、どうしようもない気持ちを自分で対処できずに爆発してしまうことがしばしば・・
そして私もつられて、
ぶん ぶん ぶるるん・・
そんなときはこの絵本。
もやもや、むしゃくしゃの気持ちもユーモアに変えてくれる一冊です。
作品について
題名:ぶん ぶん ぶるるん
(原題 Buzz Buzz Buzz)
作者:バイロン・バートン 作
てじま ゆうすけ 訳
出版社:ほるぷ出版
おすすめの読書シーン:春 初夏 お外遊び イヤイヤ期
おすすめの年齢:2歳~
(絵本は赤ちゃんから大人まで読む年齢に決まりはないので、あくまでもご参考程度に)