もりのてがみ

みどりいろの めをした
りすさま

こんにちは くるみばやしで
いっしょにくるみをひろった
こどもです。

おぼえていますか?
わたしのては おおきいでしょ。
また くるみひろい
てつだってあげるね。

まだまだ寒い日が続くイリノイ州、
そんな中でも小さな木の芽が膨らんでいたり、自然の中に春への身支度を感じられる今日この頃。

新しい季節が待ち遠しい私は、このお話を最近よく選んで娘と読んでいます。

さむいさむい冬の日、外で遊べないとき、ひろこさんは森のおともだちに手紙を書きました。

みどりいろのめをした りすさま、
いしをひろっていたときにあった とかげさま、
うたのすきな ことりたちへ、
みみのくろい のうさぎさま

書いた手紙たちは、
よくみんなが遊んでいた場所、森の大きなもみの木にさげてゆきます。

春になって森にすみれが咲いたら、もみの木の下でみんなで会いましょうと添えて‥

ひろこさんが書くお手紙がなんともまあ可愛いのです。

カラフルなお絵描きにギザギザはさみで手作りした切手、
ことりたちにはオーナメントを入れて、しっぽが切れていたとかげにはバンドエイドを同封、切手にはお薬マークや赤十字マーク。

机の上にはたくさんの色鉛筆にペン、糊の壺、そしてお供のココアなのかな、美味しそうな湯気の立つ飲み物が可愛いカップに、それからクッキー。

子どもの頃に机の上でのなにかを作り出す時間、今日はあれを作ろうこれを作ってみようといつも胸が躍ったものです。

そんなわくわくする時間がそのまま絵本の中に。

片山健さんの絵がわたしは大好きなのですが、ものの温度が伝わるような温かみと細かな描写が素敵なところかと思います。

このお話のひろこさんの家に住んでみたいし、我が家に他に片山さんの本であるものだと「コッコさん」や「たのしいふゆごもり」の熊の親子の家にも住みたい、
絵本の中に入り込めたらなあとわたしの中の子ども心をくすぐるのです。

この絵本を読んで、親子で手作りお手紙を書いてみるのもきっと楽しい、
わたしの娘とやってみたい工作テーマのひとつでもあります。

春の足音が聞こえてきそうなこの時期、残りわずかの冬の楽しみ方も教えてくれる、そんな一冊です。

作品について
題名:もりのてがみ
作者:片山 令子 作 片山 健 絵
出版社:福音館書店
おすすめの読書シーン:冬 早春 春が待ち遠しい時期 お手紙、工作の時間
おすすめの年齢:3歳~
(絵本は赤ちゃんから大人まで読む年齢に決まりはないので、あくまでもご参考程度に)

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