
キラキラ ひかる
やねのうえの
おほしさまを しっているのは
だれでしょう。
それは
こねこの シューシューです。
こねこの シューシューを
しっているのは
だれでしょう。
それは
こいぬの クンクンです。
与田準一さんのやわらかく軽やかな自由律詩に、堀内誠一さんの陽の光がもれ出てきそうな温かい絵。
お話は深い青色に包まれた静かな夜から
はじまります。
登場するのは誰もが寝静まった夜中に起きている、
ねずみのチーチー、こねこのシューシュー、こいぬのクンクン。
そしてカーテンとお星さま。
「しっているのはだれでしょう。」
の言葉が連なり、夜の彼らの姿が静けさとともに描かれます。
読み聞かせをしながらなんだかひそひそ声になってしまう冒頭です。
夜に起きている三匹は昼間はこっくりこっくり、うとうと、居眠り。
どこも、ここも、お日様の光がいっぱいなのに。
お昼寝の3匹はある日、寝ぼけてそれぞれが違う鳴き声を出してしまいます。
その様子を見ておかしくなって笑ってしまうカーテン、そしてばらの花たち。
まどに かかった
カーテンが
ハ ハ フーと
わらいました。
カーテンが
ハ ハ フーと
わらったので
かきねに さいた
たくさんの
たくさんの
ばらの はなたちが
いっしょに
ハ ハ ホ ホと
わらいました。
「ハ ハ ホ ホ」
歌うようなやわらかい詩が光でいっぱいのあたたかい窓辺に、風に揺れるカーテンに、香りがしそうな満開のばらの花に、
とても似つかわしく、のどかな午後のひとときにしばしお邪魔しているような気持ちになります。
この温かさをより一層運んできているのはきっと、静かな夜の描写から光で満ちたお昼へのコントラストでしょう。
また今回このブログで、詩の軽やかなリズムをそのまま写しておきたくて、引用部分の余白を絵本とできるだけ合わせてタイプしてみました。
絵本の雰囲気が伝わってくれたらうれしいです。
最後の一文までだいすきな、お日様のにおいがしそうな一冊でした。
おひさまが
いっぱいで
こんなに
すばらしいのに
ね。
作品について
題名:おひさまがいっぱい
作者:与田準一 詩 堀内誠一 絵
出版社:童心社
おすすめの読書シーン:春、夏、夜寝る前の読み聞かせ、お昼の日差しの中でも
おすすめの年齢:2歳~
(絵本は赤ちゃんから大人まで読む年齢に決まりはないので、あくまでもご参考程度に)