One winter morning Peter woke up
and looked out the window.
Snow had fallen during the night.
ある冬の朝、目覚めたピーターがベッドの上から外を見やり、目にしたものは、一面真っ白の雪景色。
彼は朝ご飯を食べるとすぐスノースーツに身を包み、冒険へ出かけます。
作者は、エズラ・ジャック・キーツ。
この作品でアメリカで毎年一冊のすばらしい絵本に贈られる賞、コールデコット賞を受賞しています。
60年以上も前に出版されたこの本、実はアメリカではじめてアフリカ系アメリカ人の男の子を主人公にした絵本です。
日本でも「ゆきのひ」という邦題で出版されています。
ちいさな彼の目に映る美しくて広大な雪景色。
色鮮やかなコントラストの中で繰り広げられるちいさな冒険。
子供の頃の胸が躍るような気持ちや、少しの切なさ、心があったかくなる喜び、繊細な気持ちの動きもシンプルな文章の中に見事に描かれています。
また、それを原文で読む楽しさも。
Crunch, crunch, crunch, his feet sank into the snow.
日本語で雪をふみしめる音というと、
きしきし、ぎゅっぎゅっ
といったところでしょうか。
英語だと、crunch, crunch
音のイメージがお国によってちがうのはとても面白いものです。
家に帰ると彼はお母さんに雪の中の大冒険のすべてを話して聞かせます。
それからバスタブにつかり体を温めながらも、思い出すのは雪の世界のことばかり‥
And he thought and thought and thought about them.
この小さな男の子にとって、雪の日はとびきり、とびきりすてきだったことでしょう。
子供の目に映る世界、私はきっともうそのまっすぐで繊細な目はもっていないけれど、一緒にそれを味わい感動し、おなかいっぱいに楽しみたいと感じます。
親子で手をつないで雪の中を歩きたくなる一冊でした。
作品について
題名:THE SNOWY DAY
作者:Ezra Jack Keats
出版社:Viking Press
おすすめの読書シーン:冬 寒い日 雪遊びの前後
おすすめの年齢:2歳〜
(絵本は赤ちゃんから大人まで読む年齢に決まりはないので、あくまでもご参考程度に)